Running on the Winding Road

沖縄でIT系企業に勤めてます。沖縄、ビジネス、世の中の動き、読書、音楽のことなどいろいろ。

ベーシック・インカム入門  無条件給付の基本所得を考える

[読了日]2009年11月某日

ここ1年くらい社会保障関連のブログ記事などでよく話題に上がってるので読んだ。

ベーシック・インカムは「全ての個人が無条件で生活に必要な給付を受ける権利を持つ」という考え方から誕生した無条件で金銭給付される所得のこと。


本書では現状の日本における生活保護などのセーフティネットが機能していないことからはじまり、主婦や障害者等の労働、貧困、ジェンダー、イデオロギー等をベーシック・インカムを通して、または逆にベーシック・インカムを通してこれらの問題を相互に考えている。


現時点ではベーシックインカムセーフティネットとして利用できるのでは、と思う。


最近の派遣村の飲酒・タバコ騒ぎや生活保護世帯への攻撃、子供手当ての使途が何たらと騒ぐ連中を見てると使い道やその個人の所得に関係なく生活に必要な分の金額のみを全ての個人に給付するベーシックインカムがいいのでは、と思うのだ。但し、年金や雇用保険は廃止。貰った後は自己責任で、とも言える。


働かない人が出てくるのでは?という人もいるだろうけど俺はそう思わない。
飽くまで"生活に必要な分の金額のみ"であり(5万〜10万くらい?)、余暇に消費する分は自分で稼がないといけない。日本は成熟社会であり個人のライフスタイルの多様化がすすんでいる。労働へのインセンティブは十分機能すると考える。


まあ、現時点では実現するとは思えませんが…


政権交代後の労働問題、年金や保険への不安などに興味がある方は一読する価値がある一冊です。