Running on the Winding Road

沖縄でIT系企業に勤めてます。沖縄、ビジネス、世の中の動き、読書、音楽のことなどいろいろ。

この国を出よ / 大前研一×柳井正

大前 研一,柳井 正
小学館
発売日:2010-09-29

前半、というか本の半分以上は二人で現在の日本をめった切り。
で、こうなってしまったのは政治家と官僚のせいと。


柳井さんのユニクロ海外展開の話は面白かったし、全体としては概ね同意なんだけど、バラマキ批判、大連立批判、法人税が諸外国より高いとか、最近の若者はなっとらんとかよく見る話ばかりだったのでもうちょっと違う視点からの意見が欲しかった。
大前さんは日本のデフォルトは3年以内と予測。グローバル化も一層進む。


そしてこうなると海外に出るしかない、出ないと生きてはいけないぞーというのがこの本の主旨。


後半で公務員減、法人・所得減税、一院制(政治家減)、教育改革などの改革案を出してるけどデフォルトになるくらいひどい状況にならないと実現しないだろうな。


必要なのは「英語」「リーダーシップ」「目標を持つこと」ですか。


あれ、書いてて結局どこかで聞いたような話ばかりだなーと思わされる本でした。ちゃんちゃん。


とはいえこの先は大きな変化に対応する準備しておかないといけないのは事実で国内だろうが海外だろうが自力で食えるようにならないといけないのは必須。そういう意味でも刺激になった。


大学生は今のうちに読んどいたほうがいいね。

22年度診断士2次試験結果

事例I:B (C)
事例II:A (B)
事例III:B (C)
事例IV:D (B)
総得点:B (B)
※括弧内は21年度結果


事例IVで大チョンボして駄目だってのは試験終わった直後にわかってたんでまあしょうがないんだけどその他3事例は去年より良くなってた。事例IIIのBは意外だな。しかし総合がBだったとなると事例IVが悔やまれる。


ちょっとやる気出た。

「普天間」交渉秘録 / 守屋武昌

守屋 武昌
新潮社
発売日:2010-07-09

政府、事務方側、防衛庁トップで交渉当事者だった著者による普天間基地関連問題におけるアメリカ、沖縄との交渉記録。
SACO合意以降からの混乱を時系列で押さえることができる一次資料として良書。


但し、県外移設に係る話は一切出てこない。俺は県外移設派なのでやはり県内移設は受け入れられないんだけど、とりあえず県内を念頭に置いての感想を書いておきたい。


足を引っ張っているのはむしろ沖縄側だった。
稲嶺前知事の下記発言が事実なら沖縄県民としては非常に許しがたいと思う。

「守屋さん、沖縄では大きな仕事は二十年かかるんですよ。石垣空港の時だって、年月がかかっても誰も困らなかった。今回はまだ七年です。たいしたことないじゃないですか」

苦渋の決断とか言ってたけど全く違うと思わされた。そもそもの目的は普天間基地の危険の"早期"除去だったはず。
政府側が環境に配慮した案にも関わらずわざわざ沖合いに出して埋め立て量を増やすような案にしようとごねたり、合意した案を引っくり返したりで結局14年たった今もそのまま。ゼネコン利権、補助金利権を引き出すためならあの手この手で引き伸ばす。
シュワブ陸上案が一番良かったのでは。
前知事、北部ゼネコン会長、前名護市長、名護市役人、沖縄県の自民党政治家がそれぞれ実名で出てくるが、もうこの人達支持は出来ない。って元々支持してないんだけど。


沖縄政財界の利権構造は根深いね。沖縄に関しては自民党議員はやっぱり復帰させないほうがいいな。
沖縄には利権にも絡んでなく、かつ基地反対と叫ぶだけではない第3軸の政党、政治家が必要。むしろ出てきてもらわないと投票先が無くて困る。


あと本書末に守屋さんの防衛についての考えに海兵隊の県外移転が不可能な理由について記載されていたがやはり納得できない。
なごなぐさんのツイートにこんなのがあったけど説得力あるね。
http://twitter.com/nagonagu/status/13403354684194816http://twitter.com/nagonagu/status/13404011478654976


その他、防衛庁の省昇格の話、記者との情報交換、政治家、各省庁、役人各人の思惑などで詳細に説明されており色々面白かった。
守屋さんはおそらく有罪確定になる(色々裏はありそう)だろうけどこの本を世に送ってくれたのはありがたい。

沖縄県民は読んでおいて損はないと思う。

沖縄側当事者の反論も期待したい。出てこないと思うけど。

ベーシック・インカム入門  無条件給付の基本所得を考える

[読了日]2009年11月某日

ここ1年くらい社会保障関連のブログ記事などでよく話題に上がってるので読んだ。

ベーシック・インカムは「全ての個人が無条件で生活に必要な給付を受ける権利を持つ」という考え方から誕生した無条件で金銭給付される所得のこと。


本書では現状の日本における生活保護などのセーフティネットが機能していないことからはじまり、主婦や障害者等の労働、貧困、ジェンダー、イデオロギー等をベーシック・インカムを通して、または逆にベーシック・インカムを通してこれらの問題を相互に考えている。


現時点ではベーシックインカムセーフティネットとして利用できるのでは、と思う。


最近の派遣村の飲酒・タバコ騒ぎや生活保護世帯への攻撃、子供手当ての使途が何たらと騒ぐ連中を見てると使い道やその個人の所得に関係なく生活に必要な分の金額のみを全ての個人に給付するベーシックインカムがいいのでは、と思うのだ。但し、年金や雇用保険は廃止。貰った後は自己責任で、とも言える。


働かない人が出てくるのでは?という人もいるだろうけど俺はそう思わない。
飽くまで"生活に必要な分の金額のみ"であり(5万〜10万くらい?)、余暇に消費する分は自分で稼がないといけない。日本は成熟社会であり個人のライフスタイルの多様化がすすんでいる。労働へのインセンティブは十分機能すると考える。


まあ、現時点では実現するとは思えませんが…


政権交代後の労働問題、年金や保険への不安などに興味がある方は一読する価値がある一冊です。


TAC2次本科生スタート

2ヶ月も更新してなかった…

ということで21年度診断士2次試験結果は不合格、評価はCBCBの総合Bでした。
やはり苦手意識のあった事例IとIIIを克服できなかったことが敗因だな。
Dが無かったのは良かった。

先週土曜から2次本科生コースが池袋校でスタートした。T講師曰く、21年度の試験はしっかりと対策していた人は漏れなく受かっているとのこと。ごもっとも。どう考えても対策不足でした。

今年はきっちり対策して合格します。